2008年も終わります
なんやかんやといろいろありましたが、今年も終わりですね。今年は引っ越しもあって、個人的にはバタバタしつつも、かなり充実の年だったなあと思います。来年はmagic bookが5周年を迎えます。CD-R時代から始まり、オフィシャルのCDリリースとしてなんとか今年までで12タイトルを出すことができました。そして今年後半の大きな決断として、やはりWEB SHOPの本格的なスタートでしょうか。
形体は少しずつ変わりながらも、magic bookを通じて、これからも長く活動を続けていこうと、内田はこの年末に改めて強く決意するのであった・・・。(ナレーション風に)
それにしてもまだショップをスタートしたばかりなのにもかかわらず、かなりの反応があることが何よりうれしいです。
CD屋、レコード屋の状況は年々、大型店、小型店に限らずかなり大変な状況になってきているのは、身にしみるように分かります。CISCOやハイラインも潰れてしまいました。タワー渋谷店も本当にヤバいと聞いてます。いやーまったくどうなっちゃうんだろうと悲しい気分にもなります。
大型店では、ほんとエレクトロニカやポストロックってくくりでわーわー騒がれる類の音楽は、今や残念すぎるものばかりで、ガッカリします。僕の胸を騒がしてくれた当時のエレクトロニカってなものはもっとなんなんだか形容のできない刺激的なもの、実験的でクリエイティブなもの、音なんだか音楽なんだか分からない変なもの、そして絶対的に良いものだったのに。今はエレクトロニカって言葉に沿うように音楽を作っているであろうものばっかりが、プッシュされて、灰汁の入ったようなものは全然日の目を見ないような近頃。しかもいつしかエレクトロニカって呼ばれるものは、いわゆる綺麗で洗練された緩やかなメロディとビートで作られた美メロ中心な電子音楽として扱われている気がする。
こないだ某大型CDショップに行って大プッシュされているCDの帯に書かれている紹介分を読んで、がっかりした。
はっきりとは覚えていないけど、綺麗なメロディ、繊細な音、美しいエレクトロニカ・・・みたいな内容で・・・こんなこれっぽちも脳みそ使っていないような文をよく帯に載せるなあと、はっきりいって、かなり呆れてしまった・・・。百歩譲ってお店のポップならまだしも、リリースする側のコメントがそれかよ・・・しかもそれが大プッシュかよ・・・と。
こんな状況はここ1,2年特に顕著に表れている気がします。
今の世の中の現状がそうさせているのも、そういう気持ちも分からないではないけど、でもやっぱりそれじゃ駄目だ。絶対に駄目なんだ。
それだけが理由ではないにしろ、僕はしばらくオフィシャルでのリリースをやめようと思いました。このまま同じように続けたところで、今の現状の中で、僕が良いと思うものを信じて出したところで何も変わらないと思った。
WEB SHOPを始めたのも、そんないろいろの思いの中で決断したことであり、自分が本当に良いと思う店、自分があったらいいなと思う店を、どうせなら自分で始めようと思ったわけで。それとショップを通じて、過去にリリースしてきたmagic bookの音楽をもっとたくさんの人に知ってもらいたいと思ったから。
CDの紹介だって、忙しいのはよくわかるけど、それでもただレーベル側から提供したものやどっかに載っていたテキストをただコピペするだけじゃ、その店の意義なんて何もないと思うし、そういう細かい所から真剣にやらないと駄目なんだよ。僕が尊敬するいくつかのお店はそういうことを本当に大切にしている思う。
うちのショップはまだ始まったばかりなんだけど、日本のレーベルや日本のアーティスト、DJによるミックス作品など、とにかく日本人にこだわった作品を、新旧問わず、僕の視点で僕のタイミングで販売していこうと思ってる。まあそれに関してはここで何度かもう言ってきていることなんだけど。
もう昔と違って、今はリリースの量がはんぱなく多くて、どうやったって、新しくリリースされたものを追っていくのなんか大多数の人が無理で。
当時はたとえば僕よりちょっと上の世代だろうけど、まだヒップホップの新譜を全買いできるような時代があったそうだ。バイヤーさんがプッシュした新譜を信じて全部買うなんていうことを。だからこそ、その世代での共通言語みたいなものが存在していたわけだし、ある程度みんな衝撃を受けたアーティストやジャンル、経てきた過程が共通していたりしたわけだけど、今の時代にはそれがない。それぞれほんとにみんな違うしバラバラ。良いことのようで、なんだかちょっぴり切ない。クラフトワークやYMOを聴いて衝撃を受けて、テクノを始めたとかオールドスクールが日本に上陸してきた時の衝撃とかそういう上の世代の人たちが語る共通の感覚ってのは、絶対に今はない。
でもそれはまあ今の時代には仕方のないことで、それだったら、もー中途半端に新譜を追わなきゃいけないんじゃないか?とかそんなことはそろそろほんとにもーやめにしない?って気持ちもあって、僕は自分のショップの在り方みたいなことを考えるようになったのです。もーみんな自分の聴き方、楽しみ方を探すしかない。そのかわり、聴き方、楽しみ方をもっと多様化させようよ。ということ。一聴したら、ただ抽象的なインスト音楽も、何かイメージや楽しみ方を提示してみるだけで、全然聴こえ方も変わってくるし、楽しさが倍増してくる。僕は改めて、テキストの重要性を考えている。そういうことをこれからもっとちゃんとやっていきたいと思っている。
長くなりましたが、来年も楽しい事、楽しいもの提案していくので、よろしくお願いします。
そうそう、そんな中、ストップさせようと思っていたレーベルですが、5周年の来年に一枚だけプレス作品作ろうと思っています。それは今ここに書き綴った思いのもとに生まれるものになると思います。まだどんなものが出来るかはわかりません。でも一枚だけリリースします。
・・・とか言って、来年になったら気持ちが変わっているかもしれませんけどね(苦笑)。一年って短いようで、長い、また長いようで短いのでなんとも言えませんが、ただ今はそんな気持ちでいっぱいなのです。ほんとに今年の終わりに来年はリリースは一枚もしないだろうと強く思ったのに、やっぱりそういうことがほんとに好きなんでしょうね。
自分を今年の最後に見つめなおしてみました。
ではでは、皆さん良いお年を。僕は今年は高円寺で酒と音楽にまみれてきたいと思います。円盤さんと夜なかに行けたらgrassrootsに遊びいこうと思います。向こうで会ったら声かけてくださいね。
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